第9回日本産業理学療法研究会学術大会の開催にあたり、大会長として皆様を本学術大会へお迎えできますことを、大変喜ばしく存じます。本学術大会は、これからの産業保健分野における理学療法のあり方を議論し、最新の知見を集約することで、我々理学療法士の更なる飛躍を目指す場となります。
現在、我が国では労働人口の高齢化や働き方の多様化が進むとともに、DXやAI技術の導入による急激な社会構造の変化が起きています。こうした時代において、労働者が心身ともに健康で、持てる能力を十分に発揮できる環境を構築する「産業保健」の果たす役割は極めて重要です。近年、理学療法士の活動領域は産業保健分野へと拡大しており、労働災害の防止や作業環境の適正化、健康経営への参画、さらには治療と就労の両立支援など、多岐にわたる貢献が社会から強く求められています。
我々理学療法士が働く人々の健康支援において提供できる真の価値とは何か。本学術大会では、今一度この問いに向き合うため、「産業保健の原点に還る」をメインテーマに掲げました。開催地となる北九州市は、産業医科大学を有し、長きにわたり日本の産業保健人材の育成を牽引してきたゆかりの地です。この象徴的な場所において、時代の変化に適応した理学療法士の役割を再定義し、次世代へと繋ぐ確かな基盤を形成したいと願っております。
本学術大会が、産業保健分野に携わる方々はもとより、これから同分野を目指す皆様にとっても、活発な意見交換と新たな知見を得られる有意義な機会となりますことを心より祈念申し上げます。
第9回日本産業理学療法研究会学術大会
学術大会長 久原 聡志
